近年注目を集めているフットケア!

フットケアが特に必要なのが糖尿病・透析患者

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糖尿病・透析患者の場合は?

糖尿病・透析患者の場合は?

糖尿病患者の場合

糖尿病患者の足を観察する際は、患者本人が「違和感はない」といっていても、実際に見てみることが重要です。末梢神経の障害や視力の低下により痛みや異変に気づいていないケースも少なくないためです。
糖尿病の合併症である抹消動脈疾患によって血流不足に陥る恐れがあるため、足の色や冷感の有無、足背動脈・後脛骨動脈が触知可能かどうかに注意して観察しましょう。神経障害によって痛みを感じることができないケースも多いため、発見が遅れないようにしなければなりません。そこで大切なのが、看護師によるアセスメントです。看護師が注意深く観察することで早期発見・治療につなげることができます。また、高血糖により皮膚が感染しやすい状態になっています。創傷の回復そのものも遅くなっているので、小さな傷でも放置しておくと細菌が侵入して感染が拡大する恐れがあります。靴擦れなどの小さな傷でも急速に悪化する可能性があるので、細かい部分まで注意深く観察しなければなりません。併せて、爪白癬の有無も確認しましょう。時に高齢者は爪白癬にかかりやすい状態になっており、一旦かかってしまうと治りづらく急速に悪化していきます。
糖尿病患者のフットケアをする際は、疾患の有無に関わらず自分の足を清潔に保ち日頃から注意深く観察する習慣を患者本人に身につけてもらう必要があります。例えば、傷ができても患者本人が気づかなかった場合、糖尿病や神経障害などについて伝えた上で、なぜ自分で気づかなかったのかを理解してもらわなければなりません。同じことを繰り返さず、リスクを最小限に抑えるためには何をすべきなのかを患者と一緒に考えて指導します。看護師が患者に対して行う指導は、足の洗い方や爪切り、保湿の方法など多岐に渡ります。合併症により目が見えづらい患者の場合は、ご家族に協力してもらう必要もあるでしょう。患者の生活にフットケアを取り入れてもらえるようにするのも、看護師としての重要な役割の1つです。

透析患者の場合

透析患者は皮膚の水分を上手くコントロールできない状態なので、常に乾燥している恐れがあります。乾燥によって皮膚の亀裂が生じている場合、予防的観点として痒みの有無も確認しなければなりません。足を保湿する習慣のない患者も多いため、患者本人でフットケアに取り組めるよう指導する必要もあります。また、透析患者は末梢動脈疾患を引き起こしやすく、血流不足に陥りがちです。小さな傷が下肢切断にまでつながる恐れがあるため、注意深く観察しなければなりません。

新しいスキルを身につけたい看護師へ